バスケットボールの5秒ルールとは?
バスケットボールには、プレーヤーが一定時間を超えてプレーを続けることを制限する「5秒ルール」があります。
ただし、5秒ルールはすべて同じルールではありません。
主に、
- スローインの5秒
- フリースローの5秒
- 近接してガードされたプレーヤーの5秒
の3つがあります。
それぞれ5秒のカウントを開始するタイミングや、5秒以内に行わなければならないことが異なります。
① スローインの5秒ルール
スローインをするプレーヤーは、5秒以内にボールを手から離し、コート内に投げ入れなければなりません。
5秒はいつから数える?
ファウルやバイオレーションなどのあとに行う通常のスローインでは、審判がスローインをするプレーヤーにボールを与えたときから5秒を数えます。
つまり、
審判からボールを受け取る
↓
5秒カウント開始
↓
5秒以内にスローイン
という流れです。
パスをする味方を探しているうちに5秒を超えた場合は、5秒バイオレーションとなります。
スローインでビジブルカウントをする
スローインの5秒は、審判がビジブルカウントを使って数えることができます。
腕を使って1秒、2秒、3秒……と、周囲から見てもカウントしていることが分かるようにします。
スローインをするプレーヤーにとっても、残り時間が分かりやすくなるため、審判とプレーヤー双方にとって重要なカウントです。
よくあるケース
- 味方がフリーになるのを待っているうちに5秒を超える
- ディフェンスにパスコースを塞がれてボールを出せない
- スローインをするふりをして、なかなかボールを手放さない
- 味方が動くのを待って時間を使い続ける
ディフェンスから強いプレッシャーを受けていても、5秒の制限がなくなるわけではありません。
得点後のエンドラインからのスローイン
フィールドゴールや最後のフリースローが成功したあと、得点されたチームは、そのバスケットの後ろのエンドラインの外からスローインを行います。
このスローインには、通常のスローインとは少し違うポイントがあります。
5秒はいつから数える?
得点後のエンドラインからのスローインでは、
そのチームのプレーヤーが最初にエンドラインのアウトオブバウンズでボールを持ったとき、またはボールを与えられたときから5秒を数えます。
これはJBAの競技規則に明記されています。
したがって、ゴールが決まった瞬間から5秒を数えるわけではありません。
また、ゴール後のボールが遠くへ跳ねてしまい、プレーヤーがボールを取りに行っている時間も、まだそのチームのプレーヤーがエンドラインの外でボールを持っていなければ、5秒のカウントには入りません。
ボールが遠くに跳ねてしまった場合
例えば、Aチームがシュートを決め、Bチームのスローインになります。
ところが、ゴール後のボールが大きく跳ねて、エンドラインから離れた場所まで転がってしまいました。
B1が走ってボールを取りに行き、ボールを拾ってエンドラインの外に戻りました。
この場合、
ゴールが決まってからボールを拾うまでの時間を5秒として数えるわけではありません。
B1がエンドラインのアウトオブバウンズでボールを最初に保持した時点から5秒を数えます。
つまり、
ゴール成功
↓
ボールが遠くへ跳ねる
↓
B1がボールを取りに行く
↓
B1がエンドラインの外でボールを保持
↓
ここから5秒
という考え方です。
エンドライン上を自由に移動できる
得点後のエンドラインからのスローインでは、スローインをするプレーヤーはエンドラインに沿って自由に位置を変えることができます。
例えば、ディフェンスが正面にいるため、少し横へ移動してパスコースを作ることができます。
ただし、位置を探している間も5秒は進んでいます。
「横に移動できるから5秒がリセットされる」ということではありません。
別の味方にボールを渡すこともできる
得点後のスローインでは、エンドラインの外にいるチームメイトにボールを渡すことも認められています。
例えば、
B1がボールを拾う
↓
B1がエンドラインの外にいるB2へボールを渡す
↓
B2がスローインを行う
ということが可能です。
ただし、5秒のカウントをリセットするためにボールを渡しているわけではありません。
最初にそのチームのプレーヤーがエンドラインのアウトオブバウンズでボールを持った時点から5秒が進んでいます。
そのため、B1からB2へボールを渡しても、5秒が最初から数え直しになるわけではありません。
審判が見るポイント
得点後のスローインでは、ゴールが決まった瞬間ではなく、
「そのチームのプレーヤーが最初にエンドラインの外でボールを保持したのはいつか」
を確認します。
特に、ボールが遠くへ跳ねたケースでは、ボールを取りに行っている時間と5秒カウントを混同しないことが重要です。
② フリースローの5秒ルール
フリースローを行うプレーヤーにも5秒の時間制限があります。
フリースローシューターは、審判によってボールが使える状態に置かれてから5秒以内にボールをリリースしなければなりません。
5秒はいつから数える?
フリースローでは、
審判がフリースローシューターにボールを与えた時点から5秒を数えます。
例えば、
審判がボールを渡す
↓
5秒カウント開始
↓
シューターがボールをリリース
という流れです。
ボールを受け取ったあと、長く構え続けて5秒を超えれば、5秒バイオレーションとなります。
フリースローではビジブルカウントをしない
フリースローの5秒については、スローインのような目立つビジブルカウントを行いません。
審判は、シューターに対して5秒のカウントを行いますが、腕を大きく動かして「1、2、3……」と周囲に見えるようにカウントするのではなく、シューターの動作を妨げないよう、審判自身が時間を管理してカウントします。
これは、フリースローがシューターにとって非常に集中を必要とするプレーだからです。
スローインでは、ビジブルカウントによってプレーヤーに残り時間を知らせる意味があります。
一方、フリースローでは、審判が腕を大きく動かしてカウントすると、シューターの視界に入ったり、動作への注意をそらしたりする可能性があります。
そのため、フリースローではシューターを不必要に妨げないことを優先して、目立つビジブルカウントを行わずに5秒を管理します。
なお、2026年の競技規則では、フリースローシューターについて「審判によってボールが使える状態に置かれてから5秒以内にリリースする」というルールが定められており、5秒の時間制限そのものは明確です。
よくあるケース
- ボールを受け取ったあと、何度もドリブルして時間を使う
- 構えたままなかなかシュートを打たない
- 審判からボールを受け取る前から5秒を数えてしまう
審判は、ボールをシューターに与える前ではなく、与えた時点から5秒を管理します。
③ 近接してガードされたプレーヤーの5秒ルール
これは、スローインやフリースローとはまったく別の5秒ルールです。
コート上でライブのボールを持っているプレーヤーが、相手プレーヤーから1m以内の距離で積極的にガードされている場合、そのプレーヤーは5秒以内に、
- パス
- ショット
- ドリブル
のいずれかを行わなければなりません。
5秒はいつから数える?
スローインやフリースローのように、「審判からボールを受け取った瞬間」がスタートではありません。
ボールを保持しているプレーヤーが、相手から近接して積極的にガードされている状態になった時点から5秒をカウントします。
そのため、審判はディフェンスが近づいてきたタイミングをしっかり確認する必要があります。
5秒以内に何をすればいい?
5秒以内に、
パス・ショット・ドリブル
のいずれかを行えば、5秒バイオレーションにはなりません。
ただし、単に体を動かしたり、フェイクをしたり、ボールを持ち替えたりするだけでは5秒を回避できません。
ファンブルは5秒をリセットしない
例えばA1がB1に4秒間近接してガードされたあと、ボールをファンブルし、すぐにボールを取り直したとします。
この場合、ファンブルしたことで新たに5秒のカウントが始まるわけではありません。
ファンブルはパス・ショット・ドリブルには該当しないため、5秒以内に必要なプレーを行っていないことになります。
JBAの公式解説でも、このケースは5秒バイオレーションとされています。
審判が見るポイント
近接してガードされたプレーヤーでは、
「いつから近接してガードされたのか」
を明確にすることが重要です。
ディフェンスが1m以内に入っただけでなく、積極的にガードしている状態なのかを確認します。
そして、その状態になってから5秒以内にパス・ショット・ドリブルが行われたかを見ます。
5秒バイオレーションのジェスチャー
5秒バイオレーションが成立した場合は、笛を吹いてプレーを止め、片手で5本の指を示すジェスチャーを行います。
これは、スローイン、フリースロー、近接してガードされたプレーヤーのいずれの5秒バイオレーションでも共通するシグナルです。2024 FIBA公式競技規則の審判シグナルでも「5秒」は5本の指で示されています。
5秒バイオレーション後のプレイ再開
5秒バイオレーションが起きた場合は、基本的に相手チームにボールが与えられ、スローインでプレーを再開します。
ただし、5秒バイオレーションが起きた場面によって、スローインを行う場所などは異なります。
スローインで5秒を超えた場合
スローインをするプレーヤーが5秒以内にボールを手放さなかった場合、相手チームのスローインで再開します。
近接してガードされたプレーヤーが5秒を超えた場合
近接してガードされたプレーヤーが5秒以内にパス・ショット・ドリブルをしなかった場合も、相手チームのスローインで再開します。
フリースローで5秒を超えた場合
フリースローシューターが5秒以内にボールをリリースしなかった場合は、フリースローの5秒バイオレーションとなります。
この場合、フリースローは成功していないものとして扱われ、相手チームにスローインが与えられます。
審判が5秒ルールで特に注意したいポイント
5秒ルールで最も重要なのは、単に「5秒を数える」ことではありません。
場面によって、
「いつから数えるのか」
が異なります。
スローインでは、審判からボールを与えられた時点。
得点後のエンドラインからのスローインでは、そのチームのプレーヤーが最初にエンドラインの外でボールを持つか、ボールを与えられた時点。
フリースローでは、審判がボールを使える状態に置いた時点。
近接してガードされたプレーヤーでは、ボールを保持しているプレーヤーが近接して積極的にガードされた状態になった時点。
それぞれを別々のルールとして覚えておくと、実際のゲームでも判定しやすくなります。



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