コーチとして日々練習を見ていると、良い練習と悪い練習には、いくつかの共通点があるように感じます。
私が考える良い練習は、楽しく、真剣に取り組み、そして上手くなる練習です。
反対に、悪い練習は、きつすぎて地獄のような雰囲気になってしまう練習、ふざけてしまって真剣さがない練習、そして時間をかけているのに上達につながらない練習です。
もちろん、練習には適度な厳しさも必要です。苦しいことに挑戦したり、簡単にはできないことを繰り返したりする時間も欠かせません。
ただ、子供たちが苦痛を感じるだけの練習や、怒られるから仕方なく取り組むような練習にはしたくありません。
では、良い練習と悪い練習を分けるものは何なのか。
私が大切だと考えているのは、子供たちの「気持ち」です。
良い練習を作る2つの気持ち
子供たちが良い練習をするためには、2つの気持ちが必要だと考えています。
① 上手くなりたい、勝ちたいという向上心
まず必要なのは、バスケットボールが上手くなりたい、試合に勝ちたいという気持ちです。
この気持ちがなければ、どれだけ良い練習メニューを用意しても、子供たちはなかなか真剣に取り組めません。
上手くなりたいから一生懸命練習する。 勝ちたいから苦手なことにも挑戦する。
こうした向上心が、練習に取り組む姿勢の土台になります。
ただし、この気持ちは一度伝えれば身につくものではありません。
日頃から試合の話をしたり、バスケットボールの面白さや難しさを伝えたり、チームとして目指すものを語りかけたりすることが大切だと思います。
子供たち自身が「もっと上手くなりたい」「次の試合では勝ちたい」と思えるように、長い時間をかけて働きかけていく必要があります。
② 楽しい、興味があるという気持ち
もう一つ大切なのが、練習そのものを楽しいと感じたり、興味を持って取り組んだりする気持ちです。
特にミニバスのカテゴリーでは、この気持ちがとても重要だと考えています。
子供たちは、同じことを延々と繰り返すだけでは飽きてしまいます。
もちろん、基本練習の反復は必要です。上達するためには、同じ動きを何度も繰り返さなければならない場面もあります。
しかし、ただ繰り返すだけではなく、その中に新しい要素を取り入れたり、楽しめる工夫を加えたりすることが大切です。
例えば、次のような方法があります。
- 競争形式にして、誰が一番できるかを競う
- 「3分間で何本決められるか」など、時間と目標を設定する
- 笛を吹いたら動きを変えるなど、途中に変化を加える
- チーム対抗にして、仲間と協力する要素を取り入れる
- いつもの練習に少し違うルールを加える
練習の目的は変えずに、取り組み方に変化をつけるイメージです。
同じシュート練習でも、ただ決め続けるだけなのか、時間内の成功本数を競うのかによって、子供たちの集中力や取り組む姿勢は変わってきます。
コーチ側のちょっとした工夫で、退屈になりがちな練習も、子供たちが夢中になれる時間に変えられると思います。
2つの気持ちが噛み合ったとき、良い練習になる
この2つの気持ちは、どちらか一方だけでは十分ではありません。
楽しいだけでは、遊びの延長になってしまい、真剣さや上達につながらないことがあります。
反対に、上手くなりたい、勝ちたいという気持ちだけを求めても、練習が苦痛になってしまえば、子供たちは長く意欲を保てません。
大切なのは、2つの気持ちが噛み合うことです。
「上手くなりたい」「勝ちたい」という向上心があるから真剣に取り組む。
そして、練習に楽しさや興味があるから、自然と集中し、何度でも挑戦したくなる。
その結果、練習の雰囲気が良くなり、子供たちがサボらず、前向きに取り組む時間が生まれます。
私が目指したいのは、まさにこういう練習です。
コーチに必要なのは、練習を考える工夫
子供たちに向上心を持ってもらうためには、日頃からバスケットボールや試合について語りかけ、目標を共有していくことが必要です。
そして、練習に楽しさや興味を持ってもらうためには、コーチ自身が練習を工夫しなければなりません。
同じメニューを繰り返すことが悪いわけではありません。
ただ、その練習を子供たちがどう感じているのか、集中して取り組めているのか、もっと良い方法はないのかを考え続けることが大切だと思います。
練習が盛り上がっているだけで満足するのではなく、楽しさの中に真剣さがあり、真剣に取り組んだ結果として上達している。
そんな練習を作れるコーチでありたいと思います。



コメント