バスケットボールの審判は、ファウルを宣したあと、テーブルオフィシャルに対して必要な情報をジェスチャーで伝えます。
この一連の動作を「オフィシャルレポート」といいます。
オフィシャルレポートでは、ファウルをした選手の背番号、ファウルの種類、フリースローの本数や次の攻撃方向などを正確に伝える必要があります。
特に審判を始めたばかりの頃は、背番号の示し方や処置のジェスチャーに戸惑うこともあるでしょう。
この記事では、オフィシャルレポートの基本的な流れから、背番号のジェスチャー、必要な処置の伝え方まで詳しく解説します。
オフィシャルレポートとは?
オフィシャルレポートとは、ファウルを宣した審判がテーブルオフィシャルに対し、ファウルに関する情報を伝える一連の動作です。
主に、次の情報を伝えます。
- ファウルをした選手の背番号
- ファウルの種類
- フリースローの本数や次の攻撃方向など、必要な処置
テーブルオフィシャルは、伝えられた情報をもとにスコアシートへ記録します。
そのため、オフィシャルレポートは単に決められたジェスチャーを行うだけではありません。審判とテーブルオフィシャルが情報を共有し、正確に試合を進行するための重要なコミュニケーションです。
1.ファウルを宣した瞬間に背番号を記憶する
オフィシャルレポートで最初に重要になるのが、ファウルをした選手の背番号を正確に把握することです。
ファウルを宣したあと、テーブルオフィシャルの前に来てから背番号を確認しようとしても、選手が移動していたり、複数の選手が重なっていたりすると、特定が難しくなる場合があります。
そのため、笛を鳴らしてファウルを宣した瞬間に、誰がファウルをしたのかをしっかり記憶することが大切です。
特に、接触が複数の選手の間で起きた場合や、速い展開の中でファウルが起きた場合は注意が必要です。
笛を鳴らすことだけに意識が向いてしまうと、ファウルをした選手の背番号を見落とすことがあります。
ファウルを宣したら、次の点を意識しましょう。
- ファウルをした選手を特定する
- その選手の背番号を記憶する
- どのようなファウルだったかを整理する
背番号を正しく把握しておくことが、その後のオフィシャルレポートの出発点になります。
2.背番号のジェスチャー
テーブルオフィシャルにファウルを伝える際は、最初にファウルをした選手の背番号を示します。
背番号のジェスチャーは、数字によって手の形や示し方が異なります。特に、片手で示す数字、両手を使う数字、十の位と一の位を分けて示す数字を正しく覚えておきましょう。
0番・00番
- 0番: 片手で0を示す。
- 00番: 両手で0を示す。
どちらも指で輪を作りますが、0番は片手、00番は両手を使って区別します。
1番〜5番
右手で数字を示します。
| 背番号 | ジェスチャー |
|---|---|
| 1番 | 人差し指を立てる |
| 2番 | 2本の指を立てる |
| 3番 | 3本の指を立てる |
| 4番 | 4本の指を立てる |
| 5番 | 5本の指を開く |
6番〜10番
右手で5を示し、左手で1〜5を示します。
| 背番号 | ジェスチャー |
|---|---|
| 6番 | 右手で5、左手で1 |
| 7番 | 右手で5、左手で2 |
| 8番 | 右手で5、左手で3 |
| 9番 | 右手で5、左手で4 |
| 10番 | 右手で5、左手で5 |
例えば、8番であれば、右手の5本と左手の3本を組み合わせて示します。
11番〜15番
右手を握りこぶしにし、左手で1〜5を示します。
| 背番号 | ジェスチャー |
|---|---|
| 11番 | 右手を握りこぶし、左手で1 |
| 12番 | 右手を握りこぶし、左手で2 |
| 13番 | 右手を握りこぶし、左手で3 |
| 14番 | 右手を握りこぶし、左手で4 |
| 15番 | 右手を握りこぶし、左手で5 |
16番以上
16番以上は、十の位と一の位を分けて示します。
基本は、最初に手の甲を相手側に向けて十の位を示し、続いて手のひらを相手側に向けて一の位を示すという順序です。
例えば、24番の場合は次のように伝えます。
- 手の甲を相手側に向け、2を示す。
- 続いて手のひらを相手側に向け、4を示す。
同じ要領で、次のように示します。
| 背番号 | ジェスチャーの順序 |
|---|---|
| 16番 | 十の位の1 → 一の位の6 |
| 24番 | 十の位の2 → 一の位の4 |
| 40番 | 十の位の4 → 一の位の0 |
| 62番 | 十の位の6 → 一の位の2 |
| 78番 | 十の位の7 → 一の位の8 |
| 99番 | 十の位の9 → 一の位の9 |
16番以上では、数字を示す順番を間違えないことが重要です。
また、手の甲と手のひらの向きにも注意しましょう。背番号のジェスチャーは、数字だけでなく、手の向きも含めて正しく覚える必要があります。
※ここでは背番号の伝え方を文章で説明しています。正確な手の形や指の組み合わせについては、JBAの現行競技規則に掲載されている「審判のシグナル」の図も確認してください。
3.ファウルの種類を伝える
背番号を示したあとは、ファウルの種類を伝えます。
ここでは、ファウルの大分類である「パーソナルファウル」ではなく、実際に判定したファウルの種類に応じたシグナルを使います。
例えば、ブロッキング、ホールディング、イリーガルユースオブハンズ、アンスポーツマンライクファウルなど、それぞれに定められたジェスチャーがあります。
これらの具体的なジェスチャーについては、各ファウルの記事で詳しく解説しています。
オフィシャルレポートでは、背番号を正確に示したうえで、判定したファウルの種類に対応するシグナルを間違いなく伝えることが大切です。
4.必要な処置を伝えるジェスチャー
ファウルの種類を伝えたあとは、必要に応じて、フリースローの本数や次の攻撃方向など、処置に関する情報を伝えます。
ファウルの種類を示すジェスチャーと、処置を示すジェスチャーは役割が異なります。ここを区別して覚えておきましょう。
スローインで再開する場合
フリースローが与えられず、スローインで再開する場合は、次に攻撃する方向を示します。
腕をサイドラインと平行に伸ばし、攻撃方向を明確に指し示します。
このジェスチャーによって、テーブルオフィシャルに、どちらのチームがボールを保持するのかを伝えます。
なお、ファウルの状況によっては、通常の方向指示とは異なるシグナルを使用します。
チームコントロールファウルの場合
ボールをコントロールしているチームがファウルをした場合は、握りこぶしを作り、反則をしたチームのバスケット方向へ腕を伸ばします。
このシグナルは、ボールをコントロールしているチームがファウルをしたことを示すものです。
通常のスローインの方向指示と混同しないよう、ジェスチャーの意味を理解しておきましょう。
フリースローが1本の場合
片手の人差し指を1本立てて示します。
フリースローが2本の場合
片手で指を2本立てて示します。
フリースローが3本の場合
片手で指を3本立てて示します。
フリースローの本数は、ファウルの種類だけで一律に決まるものではありません。
例えば、ショットの動作中だったか、シュートが成功したか、チームファウルの状況などによって処置が変わります。
判定した状況に応じて、正しい本数を伝えることが重要です。
フリースローの本数を伝える際の注意点
フリースローが与えられる場合でも、すべてのケースで同じ処置になるわけではありません。
例えば、ショットの動作中のファウルでは、シュートが成功したかどうかや、2点または3点の試投だったかによって、必要な処置が異なります。
また、ファウルの種類によっては、フリースローの本数だけでなく、その後のボールの保持や再開方法も確認する必要があります。
ファウルを宣したら、ファウルの種類だけで判断せず、競技規則に基づいて必要な処置を整理してから伝えましょう。
5.オフィシャルレポートでよくある注意点
背番号を間違える
ファウルを宣したあとに背番号を確認しようとすると、選手の移動などによって特定が難しくなる場合があります。
笛を鳴らした瞬間に、ファウルをした選手の背番号をしっかり記憶する習慣をつけましょう。
背番号のジェスチャーが曖昧になる
特に二桁の背番号では、数字を示す順序や手の向きを間違えると、テーブルオフィシャルが正しく読み取れない可能性があります。
数字ごとの手の形だけでなく、手の甲と手のひらの向きまで意識して練習しましょう。
ファウルの種類と処置を混同する
ファウルの種類を伝えるジェスチャーと、フリースローの本数や攻撃方向を伝えるジェスチャーは、それぞれ別の役割があります。
ファウルの種類を示しただけで終わらず、必要な処置まで正確に伝えることが大切です。
ジェスチャーを急ぎすぎる
試合の流れが速いと、早くプレーを再開しようとしてジェスチャーを急いでしまうことがあります。
しかし、オフィシャルレポートでは、正確さと分かりやすさが重要です。
一つひとつの動作を明確に行い、テーブルオフィシャルが情報を正しく受け取れるようにしましょう。
6.オフィシャルレポートを身につける練習方法
オフィシャルレポートは、背番号やファウルのシグナルを個別に覚えるだけでなく、一連の動作として練習することが効果的です。
次のような流れを繰り返してみましょう。
- ファウルをした選手と背番号を想定する。
- 背番号のジェスチャーを行う。
- ファウルの種類を示すジェスチャーを行う。
- スローインの方向やフリースローの本数など、必要な処置を示す。
最初は背番号を1つずつ確認しながら練習し、慣れてきたら二桁の背番号や、異なる処置を組み合わせて練習するとよいでしょう。
実際の試合では、背番号を記憶し、ファウルの種類を判断し、適切な処置を伝えるという複数の作業を短時間で行います。
だからこそ、ジェスチャーを反射的に行えるようにしておくことが、落ち着いたレポートにつながります。
まとめ
オフィシャルレポートは、ファウルを宣したあと、テーブルオフィシャルに必要な情報を正確に伝えるための重要な動作です。
特に意識したいのは、次の3点です。
- 背番号: ファウルを宣した瞬間に、誰がファウルをしたのかを記憶する。
- ファウルの種類: 判定した種類に対応するジェスチャーを正確に行う。
- 必要な処置: フリースローの本数や次の攻撃方向などを、状況に応じて正しく伝える。
最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、背番号のジェスチャーと処置の伝え方を繰り返し練習することで、試合中も落ち着いて対応できるようになります。
オフィシャルレポートを正確に行うことは、スコアシートの記録ミスを防ぎ、試合を円滑に進行するための大切な技術です。
参考資料
※ジェスチャーの手の形や細かな手順は、公開前にJBAの現行競技規則に掲載されている「審判のシグナル」と照合してください。



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