2027年版バスケットボール競技規則変更・新ルール|審判が押さえるべき主要変更点まとめ

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審判ルール

2027年度から、バスケットボールの競技規則が変更されます。

今回の変更では、シュート動作中のファウルの判定基準がより明確になるほか、テクニカルファウルの分類、アンスポーツマンライクファウルに代わる新しいファウルの導入など、審判・選手・コーチが理解しておきたい変更点があります。

また、インスタントリプレーシステム(IRS)で確認できるプレーも追加されます。

この記事では、FIBAが公表した2026年版競技規則の変更資料とJBAの発表をもとに、2027年度からの主な変更点を分かりやすくまとめます。

※この記事では、一般の国内競技会における2027年4月1日からの適用を前提に解説します。大会やカテゴリーによって適用時期・適用規則が異なる場合があるため、参加する大会の案内も確認してください。

2027年度の主な変更点一覧

今回、特に押さえておきたい変更点は次のとおりです。

  • シュート動作中の判定基準が明確化
  • ダブルドリブルに関する規定の明確化
  • テクニカルファウルが2つのカテゴリーに分類
  • アンスポーツマンライクファウルが廃止され、新しいファウルに再編
  • 新しいファウルに対応した審判ジェスチャーとスコアシートの変更
  • インスタントリプレーシステムで確認できるプレーの追加
  • 競技会における順位決定方法の明確化
  • ユニフォームのソックスに関する規定の変更

それぞれの変更点について、実際の試合でどのような点に注意すればよいのかを解説します。

1. シュート動作中の判定基準が明確化

シュート動作中にファウルを受けた場合、フリースローが与えられるかどうかを判断するうえで重要になるのが、ファウルが起きた瞬間に選手がシュート動作に入っていたかどうかです。

今回の変更では、シュート動作の開始と終了について、動きの種類に応じて定義がより明確になりました。

ジャンプシュートなどの場合

ジャンプシュートやその他の動きながら行うシュートでは、選手が肩とボールを相手のバスケット方向へ上げ始めたときに、シュート動作が始まります。

シュート動作は、ボールが手から離れたとき、または新たなシュート動作に移行し、空中にいる選手が両足を床につけたときなどに終了します。

ゴールに向かって進む連続した動作の場合

ドリブルを終えた後や、空中でボールをキャッチした後、ボールを保持してゴールに向かう動作を続けている場合についても、シュート動作の開始条件が整理されました。

ただし、ボールを保持しただけで、必ずシュート動作に入ったと判断するわけではありません。実際の動作を確認する必要があります。

審判が注意したいポイント

特に注意したいのは、ディフェンスの接触を受けた後の選手の動きです。

  • ファウルを受けた選手がシュート動作に入っていたか
  • ファウル後にパスを選択していないか
  • ボールをバスケットと反対方向へ動かしていないか
  • シュート動作に入る前の接触ではないか

また、通常のシュート動作はフロントコートで行われることが前提となり、バックコートからのシュートについては、ゲームクロックやショットクロックの終了間際などの例外を除き、シュート動作として扱わないことが明確化されています。

審判は、ファウルが起きた位置だけでなく、選手の動作とボールの動きを合わせて判断することが重要です。

2. ダブルドリブルに関する規定の明確化

今回の変更では、ダブルドリブルに関する規定の表現が整理されました。

基本的な考え方は変わりません。最初のドリブルが終了した選手は、一定の条件を満たさない限り、再びドリブルをすることはできません。

再びドリブルができる条件として、次の3つが明確に示されています。

  • ショットを行った場合
  • 相手チームの選手がボールに触れた場合
  • パスまたはファンブルしたボールが、他の選手に触れた場合

審判が注意したいポイント

例えば、ドリブルを終えてボールを両手で保持した選手が、ボールを落として再びドリブルを始めた場合、単にボールを落としたという理由だけで、再びドリブルが認められるわけではありません。

一方、相手選手がボールに触れたことによってボールのコントロールを失った場合などは、再びドリブルできる可能性があります。

重要なのは、ボールを落としたという結果だけで判断せず、ボールのコントロールを失った原因を確認することです。

3. テクニカルファウルが2つのカテゴリーに分類

今回の大きな変更点のひとつが、テクニカルファウルの分類です。

これまでの規定では、テクニカルファウルやアンスポーツマンライクファウルの累積によって、選手が失格・退場となる仕組みがありました。

2027年度に国内適用される新しい規則では、テクニカルファウルを性質や重大性に応じて、カテゴリー1とカテゴリー2に分類します。

カテゴリー1

カテゴリー1は、ゲーム失格につながる累積対象となるテクニカルファウルです。

選手による行為の例として、次のようなものがあります。

  • 審判や相手選手などに対する無礼な言動
  • 観客を刺激するような言葉やジェスチャー
  • 相手を挑発する行為
  • 相手の視界を妨げるように目の近くで手を振る行為
  • 接触を伴わない過度な肘の振り回し
  • ファウルを受けたふりをする行為

カテゴリー2

カテゴリー2は、ゲーム失格の累積対象とならないテクニカルファウルです。

行為の例として、次のようなものがあります。

  • ゴール後に意図的にボールに触れるなど、試合の進行を遅らせる行為
  • スローインやフリースローを速やかに行わせない行為
  • 試合開始時や後半開始時に遅れてコートに入る行為
  • 正当な例外に該当しないリングへのぶら下がり
  • 最後のフリースローにおけるディフェンス側のゴールテンディング

カテゴリー2であっても、テクニカルファウルであることに変わりはありません。

ゲーム失格となる条件

選手は、次のいずれかに該当すると、残りの試合に出場できなくなります。

  • カテゴリー1のテクニカルファウルを2回受けた場合
  • フラグラントファウルを2回受けた場合
  • カテゴリー1のテクニカルファウルとフラグラントファウルをそれぞれ1回受けた場合

一方、カテゴリー2のテクニカルファウルは、このゲーム失格の累積対象にはなりません。

ただし、テクニカルファウルはどちらのカテゴリーでも、選手のファウルとして記録され、チームファウルにも数えられます。

審判は、テクニカルファウルを判定した際、その行為がどちらのカテゴリーに該当するのかを正しく判断する必要があります。

4. アンスポーツマンライクファウルが廃止され、新しいファウルに再編

今回の変更で、これまでのアンスポーツマンライクファウルは、ディスラプティブファウルとフラグラントファウルという2つの種類に再編されます。

どちらも通常のパーソナルファウルより重い性質を持ちますが、判定基準とゲーム失格への影響が異なります。

ディスラプティブファウル

ディスラプティブファウルは、試合の流れを妨げ、相手を不利な状況にする不当な接触のうち、フラグラントファウルに該当するほど重大ではないものです。

代表的な判定基準には、次のようなものがあります。

  • トランジション中の攻撃を止めるため、ボールを直接プレーしようとせずに不必要な接触をする
  • クォーターやオーバータイムの終了間際に、ゲームクロックやショットクロックを止める目的で不必要な接触をする
  • バスケットに向かって進む相手に対して、後方または側方から不当な接触をする

最後のケースでは、進行する選手とバスケットの間に相手選手がいないことなど、規則に定められた条件を満たしている必要があります。

ディスラプティブファウルと判定された場合、基本的には相手にフリースローが与えられ、その後、フロントコートのスローインラインからスローインとなります。

フリースローの本数は、シュート動作中だったかどうか、シュートが成功したかどうかによって異なります。

なお、ディスラプティブファウルは、ゲーム失格の累積対象にはなりません。

フラグラントファウル

フラグラントファウルは、スポーツマンシップやフェアプレーの精神に反し、通常のパーソナルファウルやディスラプティブファウルの範囲を超える重大な接触です。

判定基準には、次のようなものがあります。

  • バスケットボールのプレーとして正当とはいえない行為
  • 相手を負傷させる、または負傷させるおそれのある無謀・暴力的・危険な行為
  • ボールや相手をプレーしようとする際の過度に激しい接触

フラグラントファウルの場合、相手にフリースローが与えられ、その後は原則としてフロントコートのスローインラインからスローインとなります。

また、フラグラントファウルはゲーム失格の累積対象です。

項目 ディスラプティブファウル (Disruptive Foul) フレグラントファウル (Flagrant Foul)
主な特徴・定義 速攻の阻止や時計を止めるための戦術的ファウルなど、ゲームの流れを妨げる不当な接触(危険性は低い)。 相手にケガをさせる危険がある、過度で危険な接触や不当に激しい動作を伴うファウル。
ジェスチャー 拳を高く上げ、その後腕を胸までおろし、指で「2」を表す 拳を握って頭上に上げて、もう片方の手でその手首をつかむ
罰則 2本のフリースロー後、オフィシャル席と反対のサイドラインからスローイン フリースロー(2本または3本)後、オフィシャル席と反対のサイドラインからスローイン
退場ルール 2回累積での即退場なし
(通常の5ファウル目での退場のみ)
2回で即退場
(フレグラント2回、またはテクニカル等との組み合わせ)

審判が注意したいポイント

従来のアンスポーツマンライクファウルという分類だけで判断するのではなく、接触の目的、プレーの状況、危険性、接触の強さを確認することが重要です。

特に、速攻を止めるための接触と、相手に危険を及ぼす重大な接触では、適切な分類が異なります。

なお、ディスラプティブファウルやフラグラントファウルの具体的な判定については、今後公開されるJBAの公式解説やプレーコーリング・ガイドラインも確認しましょう。

5. 審判ジェスチャーとスコアシートの変更

ファウルの分類が変更されることに伴い、審判のジェスチャーとスコアシートの記録方法も変更されます。

新たに対応が必要となる主な項目は、次のとおりです。

  • ディスラプティブファウル
  • フラグラントファウル
  • ゲームの遅延に関するシグナル
  • テクニカルファウルのカテゴリー分類

スコアシートでは、ディスラプティブファウルやフラグラントファウルなど、新しい分類に対応した記号が導入されます。

また、ゲーム失格につながるファウルを明確に把握できるよう、該当する記録には丸印を付ける仕組みが導入されます。

審判はジェスチャーを覚えるだけでなく、テーブルオフィシャルズとの連携も含めて、新しい記録方法を理解しておく必要があります。

6. インスタントリプレーシステムで確認できるプレーが追加

インスタントリプレーシステム(IRS)に関する規定も変更されます。

今回の変更では、得点やファウルの判定に直接影響するプレーについて、映像で確認できる範囲が拡大されました。

第4クォーター・オーバータイムの残り2分以内

残り2分以内では、次のようなプレーが確認対象に追加されます。

  • スローイン中にディフェンス側のファウルが起きた際、ファウルの瞬間にスローインを行う選手がまだボールを手に持っていたかどうか
  • ゴールテンディングやインタフェアに関する判定が正しかったかどうか

スローイン中のファウルについては、ボールが手から離れる前か後かによって、その後の処置が変わる可能性があります。

試合中いつでも確認できるプレー

規則に定められた条件のもと、次のような確認も可能になります。

  • ゴールテンディングやインタフェアが起きたかどうか、また判定が正しかったかどうか
  • ファウルの重大性や種類が適切だったかどうか
  • テクニカルファウルが、ディスラプティブファウルやフラグラントファウルなどに該当するかどうか

これらの変更は、ヘッドコーチ・チャレンジにも関係します。ただし、映像確認はIRSが使用できる大会で、規則に定められた条件を満たす場合に限られます。

すべての試合で自由に映像確認ができるようになるわけではありません。

7. 競技会における順位決定方法の明確化

複数の段階に分かれた大会において、グループリーグ終了後や各トーナメント段階で敗退したチームの順位決定方法が明確化されます。

対象となるチームについては、次の基準を順番に適用します。

  1. グループリーグでの順位
  2. グループリーグ全体の勝敗成績
  3. グループリーグ全体の得失点差
  4. グループリーグ全体の総得点
  5. それでも決まらない場合は、該当するFIBAランキング

これは主に大会運営や最終順位の決定に関する変更です。

日常の試合での判定に直接影響する変更ではありませんが、大会の順位決定方法を理解するうえで押さえておきたい内容です。

8. ユニフォームのソックスに関する規定の変更

ユニフォームの規定では、ソックスを外から見える状態にしなければならないという要件が削除されました。

一方、同じチームのメンバーは、ソックスの主要な色を統一する必要があります。

つまり、ソックスが見えるかどうかという要件はなくなりますが、チーム内での色の統一という規定は残ります。

ユニフォームを準備する際は、ソックスの色に関する条件を確認しておきましょう。

まとめ|2027年度の変更点で特に重要なこと

2027年度の競技規則変更では、ファウルの分類と判定基準に関する変更が特に重要です。

審判として押さえておきたいのは、次の4点です。

  • シュート動作中かどうかを、より明確な基準で判断する
  • テクニカルファウルのカテゴリー1・2を区別する
  • アンスポーツマンライクファウルに代わるディスラプティブファウルとフラグラントファウルを理解する
  • 新しいジェスチャーとスコアシートの記録方法を覚える

また、IRSの確認対象も追加されるため、映像確認が可能な大会では、新しい確認条件についても理解しておく必要があります。

競技規則は、文章を覚えるだけでなく、実際のプレーに当てはめて理解することが大切です。審判・コーチ・選手それぞれの立場から変更点を確認し、試合で正しく対応できるように準備しておきましょう。

参考資料

  • FIBA「The FIBA Official Basketball Rules Changes – Valid as of 1 October 2026」
  • JBA「FIBAバスケットボール競技規則の改正ならびに国内適用について」
  • JBA「競技規則」

※本記事は公開資料をもとに主な変更点を整理したものです。正式な判定や適用については、JBAが公開する競技規則・公式解説・大会要項を確認してください。

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